2013/08/28

【Music Works】Logic Pro X

◎人が中国出張してる間に何気にバージョンアップしたLogic Pro X。 帰国してさっそくアップデートしてみた。(MainStageも)
今回は恐らくVer8でのシングルウィンドウ導入以来の大幅な変更となる。というかLogicって基本的に偶数バージョンで大きく変わるのだが、今回はスキンを初めとした操作性に関する部分での変更が大きく、より「Appleのソフトウェア」という側面が強くなり、Appleが他に開発してきたソフトウェアの操作・概念を大きく取り込んだものになった。
今回大幅に変更されたスキン関係は、よく見るとそのレイアウトはGaragebandのそれがベースになっていることが判るし、
SmartControlは、MainStageのコントローラアサインメントをほぼそのままLogicに移植したものとなっている。
まだ触っていないが、Remote Logicを使う事で、iOS版Garagebandの操作性までも取り込んでいる。
Ver8でシングルウィンドウスキンが導入された際も、当時のiLife/iWorkの概念を大きく取り入れていたが、今回は更に踏み込んでAppleプロダクト化↓と言って良いだろう。


◎スキン絡みでもう一つ大きく変わったのがミキサー。ミキサー周りはVer7の頃から殆ど変更がなかったが、パーツのレイアウトこそ変わらないものの、それぞれのパーツは写実的な、モダンなものに変更された。特にレベルメータは従来のニキシー管風のものから通常のLCDタイプに、レベル(数値)表示も見やすくなった。
また今回小さいけれどうれしい変更がゲインリダクションインジケータの追加。前からあったEQのカーブ表示と合わせて、ミキサーセッティングの監視がより楽になった。
またプラグインのオンオフ/セッティング/タイプ変更がマウスオーバーで選べるようになり、並べ替えもドラッグだけで行えるようになったため飛躍的に操作性が上がっている。

◎その他の新機能の能書きについては公式ページに譲るとして、個人的に最大の変更点は今回新音源のDrumkit Designer。
中身は最近流行のドラム音源をまるごと入れたようなもので、通常のステレオミックスダウン音源の他、一つ一つのマイク(スネアの裏表、オーバートップ、アンビエント等)を個別に調整したり、
ドラムキットを構成する打楽器のピッチ/共鳴調整、果ては打楽器そのものを入れ替えてオリジナルのドラムキットを作る事も可能。
特にオーバートップやアンビエントマイクは、従来のサンプル音源ドラムにはなかった空気感を簡単に再現してくれる。(各打楽器マイクへのカブリまで再現する芸の細かさ!)
アンビエントマイクのルームタイプがステレオ/モノラルしか選べないとか、ドラムの種類そのものがそれほど多くないという難点はあるものの、
カブリやアンビエントを含めたマルチマイクドラムをMIDIベースで、追加音源無しで扱えること、そしてそのクオリティの高さは脱帽モノ。
正直これだけのためにバージョンアップをしても良いぐらいだ。

◎あともう一つ地味に大きな変更点がTrack Stack。従来からあった「フォルダ」の拡張で、従来の「フォルダ」は複数トラックのリージョンを見かけ上一つのトラックにまとめるものだったが、今回のTrack Stackは、言うなればグループバスの導入である。
内部的には集約対象のトラックの出力を全て特定のAUXにまとめた上で、見かけ上「集約先のAUX」にトラックを集約させるというものだが、
従来のフォルダと違う点として、集約先のトラック自体をオーディオトラックとしてプラグインを使用出来る事、
集約先のトラック自体にMIDIリージョンを持たせられる点だ。
特に後者はDrumkit DesignerのProducer kitや、UltraBeatのマルチ出力をこれによって実現している。

◎そしてもう一つ、Flex Pitch。 ロクなピッチ補正プラグインを持たなかった事が従来のLogicの弱点だったが、プラグインではなく編集機能としてピッチ編集が出来るようになった。
Flex Pitchをオンにするとオーディオトラックのピッチ解析が行われ、解析結果がピアノロールの形で波形の上に重ねて表示される。あとはピアノロール上で基準ピッチの補正の他、アタック/リリース部のピッチドリフト補正/ビブラート(同一母音内のピッチの揺れ)等を補正できる。
これらは「歌い手のクセ」を残したまま、音ハズレを許容範囲に収めるという芸当が出来るという事だ。
また「Pitch」と名前がついているが、タイミング補正も出来る。
ちなみにビブラート/ピッチドリフトを「0%」に設定すると、初音ミクごっこができるし、アタック側のピッチドリフトを極端な値に設定すればPerfumeごっこ(中田ヤスタカごっこ)も出来る。

2013/08/09

【Maclife】Apple TV

◎前から買おうかどうしようかずーっと考えていたApple TVをついに購入。
というのも6月に新居のエアコンを新調したらヨドバシのポイントが10%も還元され、ほとんど追加料金無しで買えるぐらいのポイントになったので、これ幸いと購入…
…と思ったらここんところの円安差損でケーブル代含め3000円程発生。
まあ、3000円で買えれば安いもんか。

◎日本ではあまり有効なコンテンツがないApple TVを何故態々買ったのか?
それはAirPlayのためである。
ウチにはリビングオーディオと呼べる環境は既に無く、普段はTVに接続してあるZinoからTVで音声を出すか、Mac/iPhoneからの音声をJANBOXで鳴らしていたのだが、これもある意味妥協の産物。
最初にiPodに移行してからずっとやろうと思っていた「手元のiPodライブラリの楽曲をリビングで鳴らす」がやっと実現出来るようになった訳だ。
…Airmac Expressを買えばすぐ実現出来た事ではあるが、流石にAirPlayのレシーバとしてだけに8000円は高過ぎるだろ…と。
その点Apple TVはさらに2000円程高いが、ポイントで買ってるし、AirmacExpressにはない付加機能がいろいろあるのでお得ちゃお得である。

◎さてこのApple TV、NFLやWSJといったネットワークブロードキャストを除くと、アクセス出来るコンテンツは基本iCloudのそれになる。具体的には
・iTunesで購入し、iCloudの同期対象になっている音楽・ビデオ・ポッドキャスト等
・フォトストリーム
…となる。初代Apple TVは本体に膨大なストレージを持ち、母艦iTunesのデータを片っ端から吸い上げて再生する仕様だったが、今回の奴はデータの実体はiCloud側にあるというわけだ。
(Appleは仕様を公開していないが、Apple TV側のローカルストレージはかなり小さいものだろう)

◎単体ではこれだけだが、ホームシェアリングが設定されたiTunesが起動していれば、iTunes側のコンテンツをリアルタイムにネットで吸い上げて再生してくれる。
また、iOSデバイス/Mac側のAirPlay出力先をApple TVに設定すれば、デバイスの音楽/動画を再生してくれる。
面白いのは「ミラーリング」も含めたAirPlay時の挙動で、これがローカルコンテンツ再生時の挙動と差異がほぼ無いこと。
唯一違うのはApple Remoteでのコントロールが出来ない事だが、ここでApple Remoteの代わりにiPhoneに「Remote」アプリを組み込むと、本当に挙動に差異が無くなってしまうw

◎音楽再生だと再生元がどこであろうとアルバムアートワークや曲名・プログレスバーが同じように表示され、手元のiPhoneで曲コントロールが可能。
写真や動画のミラーリング再生ではTVに映し出された写真や動画をiPhoneで選択・コントロールするなど、使っている状況だけを見ると完全にiPhoneがリモコンになっている。
…実際はiPhoneからデータは再生されているのだが。
ヤマハだったかが自社技術でiPhoneを事実上のリモコン化させるAVレシーバーを開発していたと思うが、それどころの比ではない。 見た目だけは完全にiPhoneがリモコンだ。
iPhone自体がコンテンツ再生・データ送信をしているので電池が減って行くという難点はあるものの、「完全なシームレス環境」を実現してるのは凄いの一言。
下手にAirPlayで外部スピーカに再生させるよりも俄然使い易い。

◎もう一つ、Mountain Lionの機能である「MacのAirPlayミラーリング」だが、こちらでミラーリングされるのは画面情報のみで、その状態ではApple TV側のコンテンツ再生は全て停止される。(音声も)
私は今の所これの有効な使い道が見当たらないが、これもiPhotoやApertureで写真編集をやる人等には重宝されるだろう。感覚的には液プロへの画面表示をワイヤレスでやるようなもんだ。
個人的にはミラーリングでなく拡張デスクトップとして機能してくれると非常に有り難いのだが…

◎そんなわけで購入前には半信半疑だったApple TV、いざ導入してみると超絶便利なデバイスであることが判った訳だが、お陰でウチのサブ機であるinspiron Zinoの出番が無くなってしまったw
まあ、Zino自体購入してもうそろそろ3年になるわけで、そろそろ次の環境構築を検討せねばならん時期に来ているので、丁度良い切欠かもしれない。
…ああ、また金が飛ぶなぁ…