2012/10/01

【Gadget】ちうごく携帯電話事情

◎今年の上半期は中国への出張が相次いだ。2月に3週間、5月に3週間、そして7月に1ヶ月だ。この出張期間中の私の連絡手段は現地で買った携帯電話だ。私や同僚の中国での仕事は工場仕事で、現地の仕事場で内線電話が支給される訳でもないので、携帯電話を持っていないと連絡がおぼつかない。(何しろ中国の工場は大きい!)だもんで私の仕事仲間は皆現地で電話を買う訳だ。

◎中国の携帯電話は「電話とSMS」ぐらいしか機能のない3G携帯電話から、先進のスマートフォンまで様々な機種がある。日本と違って端末側はSIMフリー端末が中心、携帯電話とSIMカードは別個に買う訳だ。
私が買った端末はLenovoのTD106という3G端末の在庫処分品で299元。4000円でおつりが来る計算だ。それに「神州行」というプリペイドSIMカードがデポジット5元+通話料。ちなみにこのSIMカードを買うにあたって身分証明とかは一切求められなかった。というか、後で判った事だがSIMカードの自動販売機が普通にあるw いいのかそんなエーカゲンでw

◎通話料金だが、私が買ったチャイナモバイルのタイプで月の基本使用料10元+通話料0.29元〜0.49元/分。高い時間帯でも円に直すと2分で約12円と、スカみたいな値段である。実際、3週間の滞在で構内電話代わりに使っていても余裕で保ってしまったw
国際電話のレートも非常に安く、割引サービス加入の電話番号を入れて電話すると1分1元〜2元ぐらい。2元で計算しても日本の国内の電話料金より安いという、これまたスカみたいな値段で、端末代金を差し引いても、日本から持ち込んだ携帯をローミングで使うのがバカらしくなる値段である。データ通信はやっていないが、おそらくコレもスカみたいな値段なんだろう…
ちなみにプリペイドのチャージについてはそこらへんの商店やら売店やらに携帯電話と100元を差し出せばやってくれるw

◎さて、今回の中国出張にはiPhoneも持って行ったのだが、何しろ上記のような価格設定なのでローミングの通話通信は一切やっていない。要するにWi-Fi通信のみの半文鎮状態(一応、香港に行ってしまうと中国のSIMは使えないのでそのときはローミング着信はOnにしている。幸いな事に発信が必要な状況にはならなかった)だったのだが、そうなると町中でもWi-Fiが使いたくなるというもの。 中国は日本とは比べ物にならない位公衆無線LANの数が多く、フリーのものも有れば、店が設置していて店に聴けばカンタンにパスワードを教えてくれるものもある。 携帯キャリア各社もWi-FIスポットの設置に力を入れている。

◎この携帯キャリア運営のWi-Fiスポットだが、日本では窓口契約が必要な上、Macアドレス認証により「1契約ごとに使える機器は特定の1台」という形だが、ちうごくのそれは契約がSIMカードに紐付け課金されており、実際に通信する機器を問わない。また料金制度も接続時間に応じた従量制になっている。…が、その従量料金が0.05元/分というこれまたスカみたいな値段で、1時間まるっと接続していても3元である。契約は携帯電話からSMSで可能で、SMSに返信されてきたIDとパスワードを入力すれば使える仕組み。町中のスターバックスではダイナミックパスワードを利用した期日限定の契約もあり(料金は同じ)、町中ではこれが便利。私みたいな得体の知れない旅行者出張者でもWi-FIで低価格で楽しくネットが出来るという寸法だ。
参考資料:中国移動(China mobile)のWIFI(CMCCとCMCC-AUTO)の接続方法

◎ところで最初の方にも書いたがちうごくの携帯端末は基本的にSIMフリーである。(キャリアの直売店で売っている端末はSIMロックタイプ。iPhoneもSIMロックのようだ)その機種の多彩さたるや、3Gにしても私の買ったヘッポコ端末から日本のガラケもびっくりの高機能端末、スマートフォンも様々なメーカーが価格的にも機能的にもピンからキリまで売っている。メーカーとしてはApple・Samsung・LG・NOKIA(Vertuもある)・Motorola・Lenovoといったところが多く、SONYEricssonも健闘している。純粋な日本のメーカーはSharpしか見なかった上、そのSharpもいかにも不人気なのか高級百貨店に細々と売られてる状況。更に商業城のバッタモノ屋に行けば、写真のようななんだか判らない端末まで売っている始末。

◎というかちうごくにおけるiPhoneのブランド力は物凄く、とてもじゃないが街でこれ見よがしにiPhoneを持って歩ける状況ではない。考えても見れば平均年収が5万元とかそんな国で、iPhone自体の値段は日本と変わらない…6000元とかするのだ。 年収の1/10を超える買い物なのだから、まさに「超高級ブランド」である。そりゃ、偽物が蔓延するわけだ。写真は同僚が買ってきた「iPhone5」と言い張る端末で1500元ぐらい。(値切ったらしい) SIMカードが2枚挿せるステキ仕様だが、動いているのがどう見ても3G系のレガシーなOSな上タッチパネルはなんと感圧式。裏面にFCCとかCE等の安全規格系マークが入ってるが、確実に認証取ってないだろコレw


◎さて、今年はもう出張予定は(今の所)無いが、来年また数週間レベルの出張が控えている。それに当たって、今回購入したXperia RayのSIMロックを外し、現地のSIMカードで運用する事を企んでいる。国内ではモバイル通信を殺されているRayだが、中国では大活躍するかもしれぬ。 楽しみにしておこう。