2007/12/31

【Diary】2007年の暮れ

◎2007年が暮れて行く。 まぁどこのBlogも年末で1年振り返る,と言うのをやっていると思うが、正直言って今年は「コレ!」と言う程ドラスティックな話も無かったんだよな…あ、三十路に入ったんだっけ。
まあそれでも一応、カテゴリ別に今年の総まとめをやろうかな…と思ったけど,書くネタねぇよ!w

◎まあ今年一番の変化点は間違いなくMacの導入ですな。 劇的にPC環境が快適になった。 不安定極まりない、まったくもって不安定な上市場サポートもまともに出来ない独占企業に払いたくも無いライセンス料を支払わされることに比べれば(…ぜいぜい、悪口並べるのも大変だ)Appleにお布施を払っている方がまだ気が楽だ…お布施自体安いしなぁ。
まあ、あんまり布教活動をやる気も無いし、Winユーザとケンカをしても始まらない…と言うか、なんだかんだ言いつつもMacへの環境移行はリスクと手間が伴うので,万人にはお勧め出来ない…かなぁ。

◎あとは今年は年末も差し迫ってきた所で,数年ぶりに録音関係のお仕事(?)が舞い込んできた。 AW4416も処分しようかなーと考えていた矢先だったが、いざ実際の録音をやってみると「やっぱりミキサーって必要だわ」となってしまったw
DTMばっかりやっていると見失いがちだが、やっぱり音楽は「演奏と録音」が基本だよね、と。
いくらPCが高性能で便利になってもそれはやっぱり「一人完結」の世界で通用するもので,演奏者とエンジニア,と言うお互いの立場の中で円滑にコトを進めるには,いくら泥臭くてもアナクロな環境が最も効率が良いんだ,と言う事に改めて気付かされた。

◎来年はそんな事も合って、もう少し音楽についてイロイロとやれることをやってみようかな…と思う次第。
Macと写真と音楽と。 そんな趣味Blogで来年もやっていきますんで、一つよろしくお願いします。

2007/12/26

【Sound Works】久々の機材レビュー

◎で、久々に楽器屋で見てきた・触ってきた機材のレポ。 と言っても卓・レコーダ関係が中心だけど。


◎YAMAHA AW2400…以前にもレポッたことがあるが、出張録音も含めて対応出来るHDRと言う事で再度確認をしてみた。
まあ、やはり前回と同じで「操作系がPA機材の思想からLM・DTM機材の思想に変わった」と言う所は同じなのだが、更に前回から気になった点として、カーソル・エンター・ジョグダイヤルの位置関係が非常に気になった。 ブッちゃけた言い方をすると使いにくいのだ。 AW4416の配置と見比べると判るのだが、4416はこれがかなり絶妙な位置に配置されていて、locateキーの右側に右手のひらを置くと、親指のちょうどいい位置にEnterが来る。 一方で2400は手を置く場所が無く、カーソルとEnterの距離も微妙に遠い。 どちらもかなり多用するキーなので、極力ここから右手は動かしたく無いのだが…

◎で、それは右手に限った話だけではない。 AWはフェーダーを触っていない時は「左手でモード・レイヤー切り替え、右手でロケートおよびパラメーターセレクト」と言う使い方が出来たが、2400は特にモード切り替えや表示切り替え関係のキーが左右に分散されていて扱いづらく、前回も書いたようにチャンネルファンクションセッティングを一括で見る画面も無い。 うーん、慣れの問題だとは思うけど、ちょっと人に勧められるシロモノじゃないなぁ…と言うのが正直な所。 スペック的素性は悪く無いだけにちょっと残念。

◎kORG D888…何気に実物を見るのは今回が初めて。(以前レポってる のにね) 第一印象はとにかく小さい事。 8trHDR内蔵卓としては驚異的なコンパクトさだ。4.3kgと言う軽量さも手伝って,やっぱりコイツは「出張録音機」だと思う。 音質まではチェック出来なかったが何気に8tr全てXLR+ヘッドアンプの構成で、(うちの)AWでは出来ない「マイク音声を全てレコーダー側に立ち上げる」と言うのも問題なく実現出来る。 基本インライン構成のミキサーなので、ライブインプットとレコーダーアウトプットの信号は同じフェーダを通り、なおかつMTR送りはプレフェーダ。 バス等をもたないシンプルなコンパクトミキサーでありながら、モニター関係も含め使い勝手は相当良さそうだ。
イメージとしては「現代版カセットMTR」といった風情。 入出力数さえ気にしなければ入力立ち上げ用センターコンソールとしても使える訳だし、DAWを扱うギタリスト(などの、スタジオ活動が主のミュージシャン)にはもってこいのレコーダーだと思う。


◎YAMAHA n12… 前回少々辛辣に書き過ぎた感じがして、でもまぁ何気に「アナログ(ライク)ミキサー+オーディオインターフェイス、と言うある種新機軸の機材なんで、ちょっと先入観は捨てて真面目にいろいろ触ってみた。
で、感想は「多くを望まなければ,相当使い勝手がいいんじゃないかい?」といったところ。要はこいつを「(ミックスダウン)卓として見る」とショボさが目立つが、「卓一体型オーディオI/F」として見ると、卓が一体であるメリットがいろいろと活きてくる。 と言うのも、n12の卓構成自体が「MTRの前段階での使用」に重点を置いた卓の構成だからだ。

◎具体的に言うと、Soloバス使用レコーディングソロオンリーのSolo構成、モニターミックス専用に割り切ったプレフェーダ固定のAUX、AUXへのリターンも可能なリバーブ、自由度の高いモニターセクション(AWでは不可能な「モニターミックスのモニタリング」も可能)など、実際のレコーディングで「欲しい機能」は一通り揃ってて、それでいてそれらは「良い感じで割り切られて」いるので、細かいセッティングに煩わされる事が無い。
コンプやEQにしても、相変わらず「どういう設定でどこを弄っている」と言うのがイマイチ判らない(笑)ものの、効き自体は悪く無いし、、かけ録り前提で使用するならこれぐらいのアバウトさが却って丁度良い。 ゲートが有ると、更に嬉しいんだけど…
で、それらを通過して12パラ+2Recバス、の14パラで、FireWireオーディオインターフェースの強みがここで出てきている。 実際12パラも一気に録音する状況も少ないので、これはこれで丁度良いのかも。

◎ミックスダウンは相変わらず本線戻りが2trなのと、パラアウトでn12に入れてきた信号のルーティング自由度が低い(外部アウトボードへのセンドをやろうとすると、AUX端子のつなぎかえが必要で、リターンもステレオインプットを使うしか無い)と言う点で,ここはちょっと不満な部分が多い。
ソフトに関してはCubase系は興味が無いので触っていない。 しかしカセットMTRの感覚でn12からトランスポートコントロールできるのは小気味がいい。 トラックコントロール・マーカーコントロール系のキーがCubase以外にも対応していれば最高なのだが。

◎問題はやっぱり16万円と言う価格だ。 ただ、XLR+ヘッドアンプ8系統のオーディオインターフェース、及び16入力(8モノ+4ステレオ+2tr+DAW)・6バス、でモニター系統が充実したミキサーで、レコーダソフトもついていて、事実上48trのMTR、と考えると実は安いのかも知れない。 バンド一発録音とかを考えない宅録専門家ならn8も悪く無さそうだ。(これは12万円)
あとは望む事が有るとすれば
・フィジカルコントロール機能(+ムービングフェーダ)
・各チャンネルへのゲート搭載
・センド/リターンAUXの搭載(アウトボード対応)
・Cubase以外へのDAWへの対応の強化(トランスポート・トラックコントロールセクションの柔軟性強化)
といったところか。

【Sound Works】アナログミキサーへの誘い

◎某バンドのリハスタ録音リハ(笑)も3回目を迎え、いろいろな所の詰めができるようになってきた。 今回は前回の反省を活かしてオーバートップとスネアにSM57,キックにSM58を使用。 ちゃんとミュートが出来るドラマーなので、バスドラのミュート穴からやや離し気味のセッティングでも、ちゃんとアタックが録れている。 それでいてSM58のローカット特性がいい方向に行って、低域とアタックが両立した「味のある」キックが録れていた。
今回スネアをSM57に変えた事、スネアに対するマイクヘッドの角度を見直した事で、スネアは張りのある「パーン」と言う音になった。 前回588SDXで問題だったハットのカブリは今回殆ど問題にならない。 57系も58系も指向性はカーディオイドだが、後方の指向特性が違うのだろうか。

◎もう一つ今回は、今まであまりきちんとやっていなかったモニター関係も見直した。 と言ってもヘッドアンプ代わりに使っているスタジオ卓にAWのミックス信号を戻してスタジオモニターを鳴らしてやろう、と言うだけの話なんだけど。
立てているマイクは合計8本なので、スタジオ卓Ch1〜Ch8の信号をダイレクトアウトから出し、ステレオ/GROUPバスの送りを切る。 で、AWのステレオアウトの信号をスタジオ卓に戻し、そちらはGROUPバスをOnにすればいい。(GROUPバスがモニターに繋がっている)
こうすればAWのレコーダモニターチャンネルで作ったミックスでスタジオモニターを鳴らせる。 しかし後から気付いたが、どうせAWもダイレクトアウト経由でMTRに送っているのだから、ダイレクトアウトの信号取り出しをプリフェーダにして、インプットチャンネルのステレオ送りを切れば、モニター返しのミックスと、ミックスダウン用ミックスを別個に作れるじゃないか。 今度やってみよう。

◎で、そういった信号系のルーティングをやっている中で、スタジオのアナログ卓をいじっていると「アナログミキサーって、いいよなぁ…」と鳴ってしまった訳である。
実は今回の録音の前日に、バンドメンバーから自宅録音に関する相談を受けて「最近は楽器屋も行ってなくて、なかなか最近の機材もチェックできてないな」と思い立ち、楽器屋で録音関係…特に卓とオーディオI/Oを重点的にチェックしていた際も、YAMAHA n12とか見て
た。
「…アナログ卓ホスィ」
いやあ、危険である。 PAコーナーに置いてあったMG32/4を見てハァハァしてた私は確実に変態だったと思うw そんな置き場所どこにあるんだよw

◎実際のレコーディングにおいてはオペレーションの速さがモノを言う。 レコーダーへの信号立ち上げとレベル監視、ダイナミクスプロセッサーの調整,モニターミックスの作成、演奏者へのモニター返しの調整…ひっきりなしにミキサーを触りまくる。
AW4416の操作系はかなり洗練されているので慣れれば相当高速でオペレーション出来るが、やはりアナログ卓のそれには敵わない。 「Ch1からCh16まで、モニター返しで頂戴」なんて言われた場合、AWだと適当なバスをOmni Outにアサインして、各チャンネルの画面をSelキーで呼び出してはカーソルとEnterでバス送りをOnにして…と、かなり面倒くさい。
アナログ卓ならBus Assignキー一発×16で終わるし、端子も固定されているのでバスアウトに一発繋げば終わりだ。

◎デジタルミキサーといえばYAMAHAだが、最近YAMAHAはデジタルミキサーの操作系をアナログ卓のそれに近づけてきている。 セレクテッドチャンネルの操作子を増やしたり、各チャンネルにロータリーエンコーダをつけてPANをダイレクト操作できるようにしたり… PA・SR用になると、バスアサイン等も含めて各Channelに一通りのキー・ツマミを並べるようになってきた。
これはひとえにデジタルミキサー特有の「パラメータを選んで値を増減」と言うオペレーションが,必ずしも即応性の高いものではないと言う証左である。 かつてはシンセサイザーでも同様のムーブメントがあり、2000年代に入ってその操作系が見直されてきている。

◎そりゃまぁPAの現場に比べればアマチュアのリハスタ録音では、バスアサイン等といった作業の頻度は遥かに低い。 しかしこちとら事業でなく,自腹切ってスタジオ時間制限つきで借りているのだ。 ちょっとでも時間短縮出来るなら…と思ってしまう。
あとはやっぱり自己満足?w ツマミやフェーダがズラ〜ッと並んでいる光景を見るとそれだけでワクワクするんですけど。 え、私だけ?

2007/12/20

【Research】サンタクロースの飛行速度

◎Wikipedia:北アメリカ航空宇宙防衛司令部#ノーラッド・トラックス・サンタによると、

2006年の日本地域の中継により、新幹線や富士山と比較し速度検証した結果、サンタクロースの速度は新幹線の100倍と言及している。
そうだ。
新幹線の100倍と言うと、単純計算で時速3万km…マッハ24.5だ。 相当高速だが、ふとした疑問が湧いた。

遅すぎないか?

考えても見れば、地球1周で約4万km。 24時間ぶっ通しで極方向にUターンしながら飛んだとしても、北極〜南極間を36往復しかできない。 とてもでは無いがこれでは世界の「よい子」にプレゼントを配って回る、なんてできやしない。
では、どの程度の速度があれば世界中の「よい子」にプレゼントを配って回れるのか、考えてみた。

◎まずサンタの飛行経路だが、これは前述のように極方向にUターンしながら飛行経路を赤道方向にずらして行って地表を南北に往復スキャンして行くのがもっとも効率が良い。 一番良いのは衛星軌道だが、これだと昼間の地域を飛行してしまう。
そうなると1スキャンあたりの飛行距離は地球円周の半分なので、2万kmである。
次にスキャンする走査線の間隔だが、これは人口密度を考慮しなければならない。 サンタが空中からプレゼントを散布する(本当は煙突から侵入するんだけど、それだと加減速の計算も必要なのでパス)としても、人口密集地における「よい子」の分布をカバー出来る間隔で飛ばないと、プレゼントの配りこぼしが出てしまうし、だからといって密度が高過ぎると飛行速度が必要以上に上がってしまい、かつプレゼントの配布をしない時間が増えて効率が悪い。

◎地球上の人口密集地帯…と言うか都市部は、北半球も南半球もだいたい緯度20°〜40°あたりの地域に分布している。(ちなみに東京は北緯35°) このことから、この範囲で最も赤道方向の円周が長い北緯(南緯)20°での間隔を求めれば良い。 間隔をどの程度に設定するかは難しいが、まあ住宅の間隔と、1件の住宅内にいる「よい子」たちのベッドの間隔(兄と弟、とか)を考慮して、ここはざっくり15mと仮定しよう。
地球の半径は約6,370km(1周4万kmの球体と過程)と置くと、北緯20°地点での赤道方向半径は
(地球の半径×Cos20°)×2×π
となり、計算すると約37,610km。 これを15mで割れば走査線本数が出る。
その数,2,507,343.6本。

◎ここまでくればサンタの速度は求まる。 サンタが常に世界各国の夜…と言うか一定時間で活動するには、上記の走査を24時間で行えば良い。 走査線1本あたりの距離は地球円周の半分なので2万kmだ。 よってサンタの速度は
(走査線本数×走査線1本あたりの距離)/24時間
である。
計算すると…2,089,453,026.1km/h。 時速20億km…ケタが余りにも多過ぎて実感が湧かないが、身近な所で光速と比較してみよう。
光の速度…299 792 458 m / s→1,079,252,848.8km/h。
サンタの速度…2,089,453,026.1km/h

なんと、光速の約2倍である。 いくらサンタが伝承上の存在だとは言っても、3次元世界の存在が光速を突破するのは問題が有る。
上記の計算をひっくり返して光速から走査線間隔を求めると29.7m。 まあこれぐらいの間隔でも「よい子」のカバーには問題は無さそう(片側15m…約2車線分の幅で蛇行すれば良い)なので、とりあえず「サンタの飛行速度≒光速度」と見て、間違い無さそうだ。

◎サンタの速度が光速に限りなく近いと仮定すれば、さまざまな問題が解決する。 サンタが何年も年を食わないのも、光速に限りなく近い速度で運動する事に依って相対的な時間のズレが発生しているものであると考えられるし、我々がサンタの飛行状態を認識出来るのは,,光速で地球表面の走査を繰り返すサンタが定点を通過する際の横方向のズレを残像として画像認識している(ちょうど、アニメーションの要領)であると考えられる。
ちなみにこの際のサンタの速度は緯度によっても異なるが、北緯20°地点で(6370×Cos20×2×π)/24で、時速1567km。 マッハ1.27と、もとからすれば相当ゆっくりした速度になる。
勿論これはサンタの飛行方向に向かって垂直に観測した際の速度なので、角度がつけば速度は速くなり、NORADの言うマッハ24にも近づいてくる。

◎週末はクリスマスイブだが、ふと夜空を見上げて,自分の真上を光の速度で飛行するサンタに思いを馳せるのも,メルヘンで良いのではないだろうか。 運が良ければ,マッハ1〜2近辺で飛行しているように見えるサンタの姿が見えるかも知れない。

2007/12/13

【MacLife】結構使えるGarageband

今日はGaragebandネタ。
Garagebandといえば「気軽に音楽作成を楽しめるソフト」と言う位置づけだが、内部的には簡易的なMTR(DAW)である。 ではGaragebandはDAWとしてどこまで使える代物なのか?を検証してみた。
…とは言ってもMacで直接録音していられる程ヒマでもないしネタも無いので、先日のリハスタ録音で録ったジャムセッションの音ネタのミックスダウンに挑む事に。

◎ネタ自体の録音が出来ているので、AWのソングデータをCD−RWに焼き付け、WinodwsPCからAWExtractでトラックデータを抜き出す。 で、生成された各トラックのWavファイルをGaragebandの「リアル音源トラック」にペタペタと貼付けていけばトラックの生成は終わり。 オーディオファイルが並ぶと、DAWチックな雰囲気が出てくる。

◎で、まずは音量バランスを取る訳だが…Garagebandには専用ミキサー画面が無い。 各トラックの戦闘部分にある横方向のスライダーがフェーダに相当するのだが、慣れるまではちょっと「横方向のフェーダ」は扱いづらいかも知れない。
ただフェーダを動かすとそれに応じたdB値がポップアップされるのは便利。 フェーダの動作はMightyMouseのボールでも行える。
パンボットもここで調整するが、+64〜-63,と言う調整値範囲が「ああ、これはLogic系のエンジンを使ってるんだな」と気付かされる。

◎お次はEQ…っと、Garagebandには「ビジュアルEQ」と言うネイティブのEQが装備されている。
こいつはHigh・Lowがシェルビング、Midの2個がQ固定で、±24dBのパラメトリックEQだ。 AWやDAWのフルパラメトリックEQに慣れると少々物足りないが、まあ「パーソナル卓での音質補正」程度と割り切れば、効きも素直そこそこ使える、 デジタルEQで気になるのは位相狂いだが、AWのそれよりは比較的位相も保たれ、素直に効く印象を受けた。
なお、「Analyze」チェックをオンにするとFFTの周波数分布が表示される。 こいつは便利だ。

◎エフェクトはゲート(スレッショルドのみ)、コンプ、4スロットのインサート(AUプラグイン使用可)、エコー/リバーブセンドを持つ。
コンプは一応主要4パラメータを押さえているが、ゲインリダクションメータが無いので耳だけで判断する事になり、ちとツラい。
インサートはコーラス、エコー、フランジャ、フェイザ、フィルタ等の基本的なものから、アンプシミュレータ(ベースアンプシミュレータ)やオーバードライブ等の歪み系、ビットクラッシャー等も備えており、感覚的には「SPX等のマルチエフェクタ」に有るぐらいのプログラムは持っている。 特にアンプシミュは、気軽に宅録したいひとには有り難いかも。(まあ、今回はあらかじめ録音したネタを使ってるけど)

◎…っとまぁこんな仕様なので、完結型作業に使うには流石に厳しいが、デモテープや曲アイデアスケッチの用途と割り切れば、非常に贅沢な仕様であると言える。
実際ラフミックスを作ってみて、勿論出来上がりの完成度は「完全」とはいかないまでも、デモとしては十分なレベルのものを作り上げる事が出来た。
操作性も決して悪く無く、iLifeらしく必要最小限に画面情報を抑えたインターフェースなので初心者にも判り易く、ミキサーもステレオミックスのみ(パラアウトやAUXの増設には対応していない)なのでDAWで最も陥り易い「信号の流れが見えなくなる」事も無い。
また、CoreAudioの恩恵として「ミニ卓などがあれば」オーディオI/Fも必要ない、と言うのも何気にポイントが高い。

◎形容するならば「高機能なカセットMTR」で、「凝った事は出来ないが、気軽に使える」と言う点ではまさに現代版カセットMTRみたいなもんである。 それまでマルチトラック録音の経験が無い、あるいはDAWを触った事が無い人にとっての「入門&勉強用録音ツール」としては最高だろう。

2007/12/09

【Sound Works】リハスタ録音2回目

◎某月某日某所にて、某バンドのリハスタレコーディング2回目が行われた。(もうちょっと具体的に書けよって?)
今回は前回出席出来なかったヴォーカルも参加するとの話だったので私とk-gotoh氏の「録音班」は必要以上に気合いが入っていたのだが、寸前になってヴォーカルとベースが参加出来なくなったとの連絡が…
まあいい。 今回は前回出来なかった「ドラムのマルチマイク録音」のテストも行わねばならんのだ。 と言うコトでともかく出陣。
ベーシストが居ないので、「ベーシストの自覚が無いベーシスト」(本人談)のk-gotoh氏を交え、ジャムセッション方式で行うコトに。

◎前回マイクを持ち込まなかった反省で、今回は自前のマイク(SHURE 588SDX 貰い物)とブームスタンド、モニター返し卓としてのMD4、前回の倍の量のシールド(笑)を持ち込み、スタジオでSHURE SM57-LCESM58それぞれ2本づつ借りてスタジオ入り。

◎オーバートップを何処に立てるかはかなり悩んだのだが、とりあえず今回は素直にドラムの正面側から、ドラマーの正面ぐらいの位置を狙う形でセット。 マイクは「SM57の特性を知りたい」ってことで今回は57を使用。
一方スネアには588SDXをセット…わざわざ廉価のSDXを使った理由は特に無いんだけれど。 あとはキックにマイクをセットして終了。
これらをスタジオ常設の卓に放り込むところまでは前回と同じだが、今回はミキサーがベリンガーMX3242Xってことで、ダイレクトアウトを持たないので、バス経由でAWに流し込む形を取った。

◎で、結果の方だが、カブリ対策で入れたエキスパンダーの設定をミスって(泣)やや余韻がブツブツ切れる部分はあったが、全体的には芯のあるドラムが録れていた。 前回の「カブリだけでドラムを録った」ものよりもタイトな感じが出せている。 まあ、当たり前か。
狭いリハスタなので周囲の楽器のカブリは避けようが無いのだが、それでもギターアンプ/ベーアンの向きを少し変えるだけでだいぶ良くなる。 次回はオーバートップの位置を変えてチャレンジする予定(ドラマーの後ろから狙う)なので、カブリは更に減らせると思う。
まあ、ドラムマイクへのカブリが少ない=ドラマーに音が聞こえない,なので、ドラマーにはやはりヘッドフォン返しを考えてあげる必要がありそう…

◎マイクに関しては,ある程度予想はしていたが「オーバートップにSM57は一長一短」であった。 58より高域が抜けるため金モノは奇麗に録れるのだが、57のもう一つの特徴である「低域の伸び」はオーバートップだと生きない。
キックはSM58でも行ける…というか多分,キックに57を使うとローが出過ぎて大変なことになりそうだ。
スネアは今回のでも悪く無いが、ヌケを重視するなら57かな?
ってことで、「あまりお金をかけずに良い録音」を目指す私としては
キック:SM58
スネア:SM57
オーバートップ;SM57×2
で行こうと思う。 …え、なんでそれ以外のマイク使わないのかって? 私が触った事が無いからだ! はっはっはw
コンデンサーは興味あるんだけど、レンタル料高いし、壊しそうだし,ファンタム面倒だし…最悪スネアに立てた57をドラマーにシバかれて弁償になっても、安いもんだしw

2007/12/08

【Apple】超軽量?

;゚д゚) <CNET Japan:アップル、超軽量ノート型MacをMacworldで発表か?--CNBCが報道らしいよ


Σ(゚Д゚;エーッ!

◎Appleがウルトラモバイルノートって時点で眉唾物な感じもするが、(日本市場以外で売れるのか?) 仮に出たとしても、iPhoneがそうであったように、日本のギーク層や営業マンや自称IT戦士(笑)が欲しがる様なノートにはほぼ確実にならないだろう。

◎私が疑問点に思うのは、Appleは必ず「ハードとソフトを一体にしたプロダクトデザインを考える」点と、このウルトラモバイルノートがどうしても結びつかない点だ。
現行Macが他のPCと違う点は、「ユーザーに器を売りつけて使い道はユーザー自身が考える」のではなく、「製品自体が使い道を明確にユーザーに明確に示す」部分(※1)であり、MacとiLifeの関係、iPodとiTunesの関係、iPod Touchの様々なアプリケーションは、それらの思想の上に立っていると思う。

◎さて、「ウルトラモバイルノート」ならではのユーザー体験って何だろう。 少なくとも、今のMacの延長線上では、やっていけるとは思えない。 そりゃぁ出たら欲しいとは思うけど、「わざわざ携帯してまで」Macでのコンピューティングに価値があるのだろうか。
…逆にもしバカ売れしたら、それだけ現状の「Macでのコンピューティグ」は価値がある,と言う証左にもなる訳だが。
あるいは、ウルトラモバイルならではの、今までとは違ったソリューションが用意されているのだろうか。

【Diary】マニア禁制

ITmedia:”マニア禁制"オーディオイベント第3弾 横浜赤レンガ倉庫で◎「マニア禁制」ってどういうこっちゃ?と思ったら、過去記事にこんな文面があった。
ITmedia:ロックもポップスも「ちゃんとした音」で “マニアお断り”オーディオイベント

原宿駅にほど近い、コンクリート打ちっ放しのイベントスペース。丁寧に設置されたオーディオシステムから、大音響のハードロックが飛び出した。「バリバリロック来た! 普通のオーディオイベントではありえないですよ、こんな音楽」――主催者はうれしそうに言う。(中略)
オーディオ業界に飛び込んだ7年前、愕然としたという。「おじさんばかりで、若い人が全然いない」。機材も中高年が好むクラシックやジャズ向け中心で、ロックやポップスに特化したものは見当たらない。わずかにいる若いファンも、マニアックにスペックを語るばかり。「オタクっぽくてじめじめした趣味になってる」
あっはっは! オーディオ趣味はじめじめしてますか…確かにね。

◎カメラも同じだと思うけど、「マニアが業界をダメにする」…ポピュラーミュージックを鼻で笑いつつ,「ジャズやクラシック」のジャンルの音楽を「内容よりも録音の質」の善し悪しで買いあさり,スペック談義に花を咲かせ、一般人を馬鹿にする…マニアってのはその存在だけでも「一般ユーザーを疎遠にする要因」になるというのに、オーディオはそれを「売る側」も一般人をこきおろすからなぁ。 バレバレの自作自演で消費者をこき下ろすどっかのオカルトケーブル屋とか。

◎オーディオの高音質指向、それ自体は悪い事だとは思わないが、それが一般に普及する為には
・技術革新(デジタル化)によるコストダウン
・ユーザーエクスペリエンスの喧伝
・マニア向け設計思想の排除
が必要になるだろう。 カメラはまさにこれらを地でいって一眼レフも一般層に普及した。(さらに言えば普及したからこそ、中級機〜上級機の認知度も増えた)
さてオーディオはどうか。
ΔΣ変調、デジタルアンプなど、今のハイエンドオーディオに比肩しえるポテンシャルを持った技術は既にある。
メーカーがそれらを取り入れられるか、売る側がそれらを認める事が出来るか…
デジタル登場前後時期の一眼レフのように「マニアに市場を潰される」事が無ければ良いのだけれど。 え、もう食いつぶされてるって?w

2007/12/06

【Computing】Office2008 for Mac

mycomジャーナル:「Microsoft Office 2008 for Mac」を08年1月16日に発売

基本パッケージの通常版が49,800円、アップグレード版が28,000円。Special Media Editionの通常版が52,800円、アップグレード版が32,800円。ファミリー&アカデミックは3ライセンス付きの通常版のみ提供され、22,800円。
◎まあOfficeだから「持ってて安心」なソフトである事は間違いないだろうし、まあ出来も(M$の初期ロットに不出来が多い事を除けば)悪くは無いんだろうな,と思うんだけど…パーソナルユースだとやっぱ高くね?
iWorkだと¥9,800、5ライセンスのファミリーパックでも¥11,800なんですけど…
パーソナルユースで果たしてOfficeレベルの「高機能」が必要かどうかっつーのもイマイチ疑問だしなあ。

◎ちなみに、ファミリー&アカデミック版の予算があれば、あと1000円足せば
・Logic Express
・Final Cut Express
どっちか買えます。 あるいはiWork+iLife買えます。 そっちの方が幸せになれるような気もする…パーソナルユースならね。

2007/12/03

【Sound Works】リハスタ録音

◎縁あって、知り合いの某バンドのCD作成に向けての録音を行うことになった。 …といって企画が持ち上がったのが夏頃、1回目のミーティングが10月上旬でありながら、いろいろと都合が付かずに結局「最初のセッション」が先週になってしまった。

◎とはいえ私自身バンドの録音は初めてと言う事もあり、今回はリハスタでのバンド練習に立ち会い、試験的に録音をしながらセッティングを詰めて行く段取りで、まず今回はリハスタの環境把握とマルチマイク+ギター+ベースの「疑似一発録り」を試す事に。
リハスタの設置機材自体は聞いていたものの、接続状況等が全くわからないので「手持ちのありったけのシールドケーブル」とAWとヘッドフォンを持ってスタジオ入り。

◎今回は自前でマイクを持ち込まなかったので、マイクはキック1本と、ベーシスト/ギタリスト/ドラマー用コーラスマイクの計4本で、ドラム用のマイクを立てられていないが、マルチマイク録音の練習としてなら全然問題ない。 これらのマイクはミキサーセクションにラックマウントされたMackie Onyx1640に立ち上がり,それをアフターフェーダ位置からダイレクトアウト経由でパッチベイから取り出せるようになっていた. つまりヘッドアンプはモニ卓のものが利用できるということだ。

◎渡りに船とばかりにマイクソースをパッチベイからAWのラインインに突っ込む. AWはヘッドアンプの質があまり良くない分,モニ卓のヘッドアンプが使えるのはありがたい.
一方でギター/ベースはマイクが確保できなかったのとそもそもセッティングが面倒(笑)という事で,アンプの出力をラインで取り出してAWに直接立ち上げ. …手抜き過ぎ? でもまぁ「演奏者が意図する出音」をほぼ確実に拾える方法はこれがBetterかな…と.

◎AWのインプットセクションのセッティングだが、どういう音が録れるかの確認がメインなのでEQは行わず、ノイズゲートの代用としてエキスパンダーをセット。 レシオ1:3.5程度、アタック最速リリース70msec程度で、Thresholdを様子見していく。
本来はノイズゲートでやるべき事だが、私はノイズゲートの設定が下手なのだw
あとはトラックキュー信号をレコーダモニターチャンネルに立ち上げて,ステレオバス経由でスタジオモニターに戻せばセッティングは終了.
…あ,そういやクリックもスタジオモニターに戻したら,爆音(超高周波)が出て全員耳がキーンとなったんだっけw

◎あとは録るだけである. 今回は本番録りではないので,レコーダーを延々回しつつ,録られている音の様子を見ながらインプットチャンネルの(おおまかな)セッティングを出す…のだが、だんだん飽きてくる.
ふっと横を見ると,YAMAHA S80が置いてあるではないか.
早速遊び心発揮. スタジオモニターのラインインにS80を立ち上げ,演奏にあわせてオルガンをかき鳴らす… って,こんなことやるレコーディングエンジニア,普通いねーよなw
まあレコーディングは「関係者全員の良好なコミュニケーション」があって初めて成り立つものだから,その程度のお遊びも必要…ってことで.

◎日が明けて、録れたモノをベースにラフミックスを出してみた所、ドラム用マイクをキックしか立てなかった事もあって全体的にオフマイクだが、それが却ってライブ的雰囲気を出すのに一役買っている。 本来コーラス用に立てたマイクなので、コーラスが入るとどうしてもドラムのレベルが低くなるのは避けられないが…
でも今回は特にオフマイクにおける回り込み・カブリの関係とその「面白さ」を知るには非常に良い経験になった。
次回のセッションではヴォーカルも参加するとのことなので、こちらも今回用意出来なかったスネアマイクやオーバートップを用意して、実地の録音に近い一発録りのシミュレートをしてみようと思う。

2007/12/02

【Computing】NAS購入のゴッタゴタ

◎前々から残容量がかなりヤバい事になっていた我が家のNAS、ついに残容量10Gを下回り、日々未使用時は電源を切っているとはいえ購入後4年半以上経過して、ドライブ自体の寿命がヤバくなってきたので買い替える事に。

◎さてNASの選定で一つ考えなければならないのが2バイト文字の扱いだ。旧NASはMacとの親和性が非常に低く,日本語ファイルがまともに扱えなかった。(SMBで接続するとバケラッタ、afpで接続すると31文字制限)せっかく新調するのなら不自由無く日本語ファイルを扱える環機種を…と言うことで選定した結果、バッファローのLS-L500GL/Mと相成った。 …結局またバッファローかよ、って感じもするが、Mac対応をうたったNASの中ではかなり安価だったのだ。

◎LS-LGL/Mシリーズは製品情報の至る所に「Mac対応!」「Macユーザも安心!」と言う文字が踊り、外箱も専用タイプな上、NASのセッティングユーティリティのMac版が付属している…と言う訳で早速NASユーティリティをインストールし、設定を試みた所…

「LinkStationを検索します」

「IPアドレスが正しく設定されていない可能性があります
IPアドレスを再設定します」

「IPアドレスの設定が完了しました」

「Linkstationを検索します」

「IPアドレスが正しく設定されていない…」以下ループ
30回ぐらいやってみたが全然改善されず。 頭に来てバッファローのサポートに電話してみた所、ファームウェアのバージョンを上げろとの事。 で、その方法は?
サポ「Macからのファームバージョンアップは出来ないので、Win機からやるか、持ち込み修理になりますぅ〜」
なんだそれは。 「Mac対応」と言いながらメンテナンスはWinからしかできないと言うのだ。 しかもお決まり文句でそれが「仕様」とのたまうのだ。

◎NASのファームウェアなんていくらでも不具合や脆弱性が見つかり、バージョンアップがかかるものだ。 それを毎回持ち込み修理にして、かつ保証期限が切れれば修理費用も送付費用もユーザー持ちと言う事か。 Mac対応を謳ってMacユーザを釣り上げ、継続的にお金を巻き上げるのがバッファローの「仕様」であり、企業姿勢なんですか? と聞いたら「申し訳ありません…」と涙声。

◎大体にして「製品の初期不良が考えられますので…」とのたまってきたので、シリアルナンバーを元にした製造記録と全数確認の結果、ならびに抜き取り検査の頻度と日量台数と評価項目を教えろ、と言ってみたが何も出てこない。 普通製造メーカーの対応窓口には製造品質状況の情報,あるいは品質変更情報(この場合S/Nを元にした工程出荷バージョン情報)ぐらいは行っているものだ。 それが理解出来ていない(あるいは仕組みとして存在しない)時点で,バッファローの品質管理も多寡が知れるということか。

◎サポート担当は苦し紛れに「この件は開発に早急に改善要望を出して、ユーザー様の声が多ければ対応を検討したいと…」と言い始めた。
果たして,Macユーザが全体のPCユーザ、またバッファローの顧客(購入検討層も含めて)の何%か判って言っているのだろうか。 基本的に「雀の涙程度」のシェアしかないMacユーザ全員が一斉に声を上げても、数の論理で言うなら数%、対応など望めようも無い。
つまりは数の論理にした時点で永遠に対応しないってことですか? と突っ込むと「申し訳…」とこれまた涙声。

◎マニュアル対応しか出来ない末端のサポート窓口をいじめても仕方が無いので電話を切ったが、IT関連企業と言うのは相も変わらず工程履歴を調べもしないで「初期不良」の一言で片付けようとするし、ユーザーもある意味「初期不良はつきもの」と言う洗脳をかけられているように感じる。 個人的経験では、初期不良こそブランドイメージを真っ先に傷つける、超クリティカル案件なんだけどなぁ…

◎結局モノ自体は嫁のWin端末からファーム書き換えと初期設定を行って、そのまま使用している。 接続がSMBのみになったが、Macからの日本語ファイルネームは83文字まで使用可能(NAS自体は128文字まで行けるが、OS X側の仕様らしい)になり、文字化けも無くなった。
しかしMac用ユーティリティは相変わらずまともには動いてくれない。 まあ初期設定時しか使用しないから構わないけど…
とりあえず、とっとと「アフター対応も含めたきちんとしたMac対応」をして欲しいものである。