2007/06/30

【Diary】灯火

R25:夜間はハイビームが基本!? ローカルルールに惑わされるな

茨城県警が県内の免許取得者にヘッドライトの点灯方法を調査したところ、約86%が「ライトは下向きで走行」と回答したとか。これが意外にも大間違い。道路交通法では、夜間のヘッドライトは上向き(ハイビーム)が基本と定められている。
いや、これ、普通に質問したら対向車が居ない状況なんて全体で考えれば多く無いんだから、ロービームって答えるでしょ。
大間違いって言いたいだけなんちゃうんかと。

◎むしろ私のよーに視点の低い車に乗っていると、対向車が居るのにハイビームで突っ走ってくる車の方が大迷惑である。 茨城県の場合、対向が居ない、歩行者が居ない、街路灯が無い道ってが結構ある(私の通勤路でも1/3ぐらいはそんな道)なのでハイビームで走ることはあるのだが、対向が来ようが歩行者が居ようがお構い無しでハイビームで突っ走り続ける車が多い。
統計は取ってないが、車高の高い車ほどそういう傾向がある気がする。 あくまで感覚だけど。
ロービームですら幻惑されることもある視点の低い車で、ハイビーム攻撃は効くのよ…

2007/06/27

【Diary】最近ホスィと思ったもの

◎カタい話題が多いと言うかまた説教臭モードに突入してきたのでライトな話題を。
FS1RやW5(もう無いけど)が好きというところで「必要以上にキラキラしてて、ちっともリアルじゃない中途半端なシンセサウンド」を愛する私としては、最近のPCMシンセやGaragebandInstrumentsの音色は少々モノ足りなさを感じてしまう昨今。
(生音に関しては凄く良いんだけどね、G.I)
最近これが気になってしょーがない。
KORG Legacy Collection DIGITAL EDITION
KORGのAiスクエアシンセシス系と言えばN1Rを持っていたが、 一時期作ってた楽曲のパッドは殆どN1Rだった、というぐらいパッドの音色が秀逸だし、「あの」M1ピアノとかも踏めて、あの必要以上なぐらい金属感マンマンのデジタル臭い音が良かった。
S/Nが悪くて使いづらい音源ではあったけど。

◎で、KLC-Digital。 M1にレゾナンスフィルターつけてエフェクト増設(インスト2系統、マスター2系統)したというのも惹かれるけど、それ以上にプリセットが総数3000を超える(M1+全PCMカード+TシリーズROMサウンド)って所に惹かれる。
私はシンセは「1から音作りはしない(できない)」ので最近の「高機能な音作りが出来るシンセ」よりも、プリセットの多さと補正エディットの自由度の高さのほうが、私に取っては重要なのだ。

◎そしてもう一つの顔がWaveStation。 これもかなりの変態シンセらしいが、デモ音色を聞くと「うわー何この変態シンセ!」と妙にワクワクしてしまうw ベクターシンセシスやウェーブシーケンスがどーいう仕組みかよく判らんが、とにかくM1に輪をかけて「ケッタイな音が出る」「必要以上にハイファイな音が出る」という点ですっげぇ気になる。

◎難点はUSB認証であることか…

【Diary】看板

◎近日我が家の近所に新しいショッピグモールがオープンするのだが、そのプレオープン前日、部屋の前に看板が立てられた。

「生活道路の為、通り抜けはご遠慮ください」

この看板を見た瞬間、とある考えが頭に浮かんで非常に不快だったのだが、プレオープンを経て、今日この看板は取り払われた。

◎何故取り払われたか。
この看板を見て、私だったらこう考えただろう。
「あ、ここ通り抜ければ速いんだ。 別に警察が取り締まってる訳じゃなし、行っちゃえ〜」
実際何人かにこの看板の話をしてみたがほぼ同じ回答が得られた。 わざわざ近道を教えている様なものだ。
今日も看板が残っていればクレームを入れようかと思ってたのだが、それより速くクレームを付けた人が居たのだろう。
ま、他の理由かもしれんけど

2007/06/25

【Car】車検

◎RX-8が購入3年経過し、車検の時期とあいなった。 ついでに総走行距離は5万km。 3年で5万か…よく乗ったなぁ。
住所変更を忘れて自動車税の払い込みが成されていない事が今更発覚するという些細(か?)なトラブルはありつつもとりあえず1週間の検査入院を経て,今日帰ってきた。

◎それにしても車検。 私はかつてMR2を1999年の6月に購入して以後、自動車保険の更新と車検がほぼ同時期に来る。(自動車保険は毎年更新だが…) RX-8も購入が6月、納車が7月なのでこのサイクルは変わらない。 それに加え今年は上記の自動車税、さらに5万kmの間一度も交換しなかったタイヤ、ついでに油脂類(ミッション、デフ、ブレーキ)も一気に更新するという大惨事になってしまい、請求金額を見て飛び上がった。 いやー、18インチのタイヤは高いとは知ってたが、10万コースとはね…

◎で、そのタイヤだが、大本はPOTENZA RE404。 それはそれで悪く無いがどちらかと言うとパフォーマンス重視のタイヤなので、そうそうブッ飛ばす走り方もしないしな、と言うことで今回はルマンLM703を選択。 コンフォート向けの静粛性重視タイヤだ。 明らかにグレードは落ちるのだが、最初は値段で「もっとグレード落とせない?」と相談した所ディーラーから「これ以下のタイヤは8に履かせられないでしょう…」ということで却下。むぅ、覚悟はしてたが維持費のかかるクルマだな。

◎で、早速ディーラーからの帰り道だが…「えっ?」という程音が静か。 RE040も新品状態ではかなり静かだったがそれ以上だ。 減ってきてロードノイズが「ゴー」という状況に慣れていた事もあって、エンジン音だけがモーターのように「ぶいーん」と響き渡るのに妙に違和感を感じてしまう程。
そして舗装状態にも依るが路面からの微振動はかなり吸収されるので、ふっとアクセルを抜いて惰性で走ると宙に浮かんでいるかの様な錯覚を覚えた。 ああー確かに新車のときこんな感じの乗り味だったなーと一人で関心。

◎さて、次の車検は2年後。 それまでこの車に乗っているのだろうか? 今の所乗り換える予定も乗り換えたい車も無いのだが。

2007/06/16

【Diary】胡瓜

◎かつてコーラを1日に致死量飲むと言われた私。 しかし銘柄はコカコーラである。
そんなコカコーラ中毒者に対する挑戦とも言える一品「ICE CUCUMBER」
水で薄めたソーダ水のような風情の毒々しい緑色をしたそれはどう見ても「コーラ」をイメージさせるものではない。
しかしイロモノ飲料が出るととりあえず試したくなる悲しい性。

◎…えー、結論から言うと
「駄菓子屋で売ってる粉末サイダーの分量を間違えた」ような味。
勿論風味は胡瓜。 匂いも胡瓜。 しかし味は駄菓子屋チック。
まかり間違ってもこれをコーラと呼称してはいかんような気がする。

◎これの企画担当者は誰だ,一体。

2007/06/13

【Diary】小ネタ

Google Japan Blog:Google Earth と Google マップの航空写真を更新しました

しかし、我が家は存在しない件について…

写真が古くて、建ってないだけなんですけどね。

【Apple】で、Leopard

◎Appleネタは続く…

◎ベータ公開されたLeopardがどんなものか見ようとWWDCのKeyNote(基調講演)の動画でも見るかと思ったのだが、よほど人気があるのか全くストリーミングが始まらない。
国内ニュースサイトを読んでもなんだかなーって感じだし…

◎と、思ってたらあるじゃないの。 Appleの本国サイト。
国内サイトと違って、ちゃんとWWDCでの発表内容に応じた更新がなされている。(国内は情報が古いまま…)
ここでLeopardのデモ動画が見れる。

◎昨年のプレビュー版と違い、Finderやデスクトップ等OSの根幹的な部分が公開された訳だが、それらは「OSとしての生産性向上に寄与する」部分と、「本来不必要だが、それがあることでMacらしくなる」部分、と言う二面性を感じた。
前者の典型はDockに複数オブジェクトを纏めて格納するStacks、従来のプレビューを大幅強化するQuick Look、そしてこれまでも語られてきたTime MachineやSpacesだ。 正直StacksやFinderのサイドバーは、「なんでこれが無かったんだろう」と思える様なTigerの「かゆい所」的な部分だったので、これらの実装は正直嬉しい。

◎一方で後者の典型…変更されたGUI(特に半透明化されたメニューバーや反射効果を持ったDock)やFinderのCover Flowなんかは、生産性にも理解度向上にも寄与しそうにない。(iTunesで見る限り、CoverFlowはそうでもないけど…)ただこういのがあるからMacらしいと言えるし、何よりクールだ。 何を持ってクールと呼ぶか、それが良いか悪いかはユーザの主観でしかないが、Tigerを使っていても思うこととして、こーいう無駄な実装形態は「シンプルに無駄」な傾向があり、無駄だけどゴテゴテしてないあたりにクールさを感じるのかな,と思う。

◎そして何より見逃せないのがネイティブ64Bit対応と、レガシーな32Bit環境を両立させている事だ。いや、両立と言う意味では他の64BitOS(たとえばWindowsの64Bit Edition)でも、32Bitアプリケーションの動作は可能だ。
Leopardの場合はあえて製品として64Bitの「区分け」をしていない。 64Bitアプリが出てきたとして、それが使用出来るかどうかについて考える必要が無い…そういうメリットがある。 あえて64Bit対応を目的としていないユーザに対しても64Bit対応がされているなら、様々なアプリケーション──特に、大量のメモリを必要とし、なおかつMacが得意とする音楽や映像の分野において──が64Bit化していく可能性も増えてくる。 更に現状モデル──少なくとも延期前の発表スケジュール上、Leopardがプリインストールされる事になっていたであろう現行モデル──において、アーキテクチャの64Bit対応は済んでいる。 この点も大きい。

◎さて、ところで私は地をはう一介のMacユーザに過ぎず、ソフトウェア技術なんてド素人なので、Leopardのβなんて逆立ちしても手に入らないし人柱になる勇気もない。 そしておそらく10月の発表直後に導入する程の度胸も座っていない。
となると私が一番Leopardに対して気になる「パフォーマンス」の面…ここはもう「期待します!」としか言えない。 重くなっていない事、あるいはそれが軽微なレベルであることをひたすら祈るのみだ。 唯一の希望は、これまでのOS Xの系譜において、常にコードの最適化を図り続けてきた事、であろうか。

【Apple】Windows版Safari

◎WWDC2007の「One more Thing…」にて、SafariのVer3パブリックベータ Windows版が(唐突に)公開された。
Safariといえばその高速性とレンダリングの美しさがウリで、Windowsユーザに強力にお勧めしたいソフトの一つだが、本当にWindowsプラットフォームに来るとは思わなかった。

◎さっそく試してやろうとInspironに入れてみたのだが、英語版限定のパブリックベータということで日本語ページには殆ど対応しない(エンコーディングがUnicode(UTF-8)のこのページでも英数字以外は表示できなかった)ので、現在ではまだちゃんと使えるレベルに無い本当の「体験版」である。
速度面ではInspironが動作環境下限ギリギリのスペックではMacBook程の快適性は無い。 まぁそれでもSlapnir(非常駐)よりはやっぱり速い。 レンダリングもOS X版の特徴をよく引き継いでおり(ヒラギノフォントが使えないのは残念だが)、OS X版とそれほど違和感は無い。

◎Windows版をリリースした経緯については、まぁ表向きはsafariの市場シェアを増やしてSafari対応のWebページ(特にAjax等のフロントエンド処理を行うページ)を増やす効果を狙ったもの、というところだろうが、本当にそうなった際──Windows版Safariが一定のシェアを獲得するに至った場合──に、本当に得をするのは実はMacユーザだったりする。

◎ただ、これには当然リスクも伴う。 iTunesと違い、インターネットへのフロントエンドたるブラウザをWindows対応させると言う事は、Windowsが持つ「メジャーであるが故の狙われ易さ」を内包する事にもなる。 FireFoxもシェアを拡大するにつれて脆弱性報告が増えているが、これと同じ事がWindows版Safariに、そしておそらくはそれと基本構造を同じくするであろうOS X版Safariに起こる可能性も出てくる訳だ。
そーいう意味では手放しでは歓迎出来ない事態なのかも。 個人的にはMacは「マイナーで、閉じている」からこそ安全性が確保されているようなものだと思っているので…

【Apple】Jobsのジョーク

ITmedia +D:ベールを脱いだ“Leopard”——新しい外観、新しいFinderで再デビュー (4/4)

最後にジョブズ氏は、Leopardの価格を発表した。
 「Basic版の価格は129ドル」。
 これまでMac OS Xは、1種類のバージョンしかなかったが、Windows Vistaにならって、ユーザーセグメントごとに分離したバージョンを用意したのだろうか。場内がどよめき始めた。ジョブズはおかまいなしに続ける。
 「このBasic版にいくつかの機能を加えたPremium版が……129ドル」。
 ジョブズ氏は悪ノリしてさらに続ける。
 「……企業向けのエンタープライズ版が129ドル。すべての機能を搭載したUltimate版が129ドル」。

◎声を出して大笑いしてしまった。
ちなみにVistaの価格はこちら。
ダウンロード版の値段だが…Home premiumより安いじゃん。 Leopard。
まあ「アップグレードパッケージ」という概念が無いから、一概に比較できないけどね。

◎なお、この「129ドル」と言う数字、現行Tigerでも同じ値段である事を付け加えておく。

2007/06/10

【Diary】WWDC2007

◎さて最近Logicと音楽関係の話題ばっかりやっててすっかり忘れてたがWWDC2007がいよいよ開幕する。
本来WWDCは開発者のためのものなんだが我々のよーな一般コンシューマはどうしてもSteven Jobsの基調講演とそこで何が飛び出すかに期待をしてしまう。

◎まぁそれでなくても今年のWWDCは発売を直前に控えたiPhoneと、今回よりベータ配布が開始されるLeopardの話題がメインになる事はほぼ「確定」で、逆にそれ以外話題あるのかなぁ、という感じ。
ハードウェアで言えば、iMac・Macminiはそろそろ刷新(中身だけじゃなくて、全てを)する時期に来てるんだけど…ま、WWDCの性格を考えたら、開発者カンファレンスに結びつかない話題はやらないだろうなぁ。

◎一方でLeopardがどこまでのものになるのはかなり興味がある。 Tigerでとりあえず完成域に達したOS Xだが、Appleが「革新」と呼ぶものが何なのかが気になる所。 何よりも「重くならないか」が非常に気になる。 Vistaの二の舞だけはなんとしても避けて欲しい。
個人的にOSレベルで実現して欲しい機能として
・NTFSボリュームの読み書き
・NTFSボリュームにある圧縮機能ライクなもの
…ノートユーザーには圧縮機能は死活問題なんですよw

2007/06/09

【Diary】音楽制作環境に関する雑感

こちらのエントリにて瑞田ガクシさんが自分の音楽制作環境にまつわるお話を書いておられる。私の場合,どうだろうと考えてみた。
LogicExpress7.2導入後の動向としては

・N1R/W5/SD-80…ドナドナ済
・SC-8850…Garagebandに駆逐される形でドナドナ予定
・XV-5050…やはりGaragebandに駆逐される形でドナドナ予定

機材数が一気に減少してスッキリ。 音源は餅とFS1Rしか残らないし、その他も卓とアウトボードのみ。 そしてそれらは音楽制作環境の「Must項目」でなくなり、必要な時だけ使う、少なくともアイデア出しやフレーズ作り込みの時点では環境や場所に左右されないお気楽環境と相成っている。

◎しかしこの「お喜楽音楽環境」にたどり着くまでには、ノートPCの導入を皮切りに様々な紆余曲折を伴ってきた。
まず拡大し過ぎた環境を自分が制御しきれなくなってきたこと。 機材の量が増えれば増える程その環境維持の為に費やすエネルギーは増大して行く。1曲作る為にやらなければならないことが非常に増えてしまい、さりとてそれら全てを一つのコンソール(→PC)から制御する事も出来ない。Musicatorは入力効率の面では大変優れたソフトだったが、編集機能が非常に弱く、また接続されているデバイスの管理は全く行う事が出来ない。(せいぜい音色の呼び出し程度)

◎結果として「音楽を作っている」のか「音楽制作環境の保守をしている」のかが判らなくなってしまい、音楽制作環境に向かったとたんに制作意欲が萎える…と言う状況になってしまっていた。 せっかくノートPCに移行して環境の制約を取り払おうとしたのに、音楽制作をするには必ず環境保守の制約がつきまとう…一言で言えば「面倒くさく」なってしまったのだ。
しかし当時の外部ハードウェアの能力では、悲しいかな「機材を整理してしまうと」必要とするクオリティを保つ事はまだ出来ない状況だった。(Moderatoが何も出来なかったのはこの理由に依る)その一方でDAW…コンピュータベースでの音楽制作(陳腐化した言い回しだなぁ)には最後まで抵抗していた。

◎丁度Inspironを買う買わないの時期…2003年前後?にはもう現在のDAWを構成する概念の大半は作られていたが、それらを実現するための要求リソースは途方も無いものだった。(ハード代、ソフト代、設置スペース、維持コスト、維持保守作業etc…)それでいて許容出来る処理能力はAW4416のそれに劣り、そして何より不安定。
本気で音楽で食っているならともかく、余暇の趣味にそこまで金をかける程私は裕福ではない。
モノは試しと、Logic Audio5.5を導入してみたが、MIDI回りの機能はともかくソフトシンセ数発でオーバーフローを起こす程の要求性能の高さでは使い物にならず、更にきわめて不安定…と言うか、「生活ツールとしてのPC」と「趣味ツールとしてのPC」を兼任させた際に発生する不安定要素を許容しきれるだけの堅牢性を、WindowsXPは持ち合わせていなかった。(そしてそれは、おそらく今も)

◎結局、私が音楽制作から身を引いた2003年後半以後と言うのは、ハードの性能は中途半端、ソフトは要求リソースがバカ高く、さらに悪い事にCPUはIntelPentium4の熱問題に突き当たり、半導体やストレージの値段は高止まりし、シンセメーカ各社はDAWの概念に振り回されて魅力的な(実用的な)製品を出せない…という、いわば「趣味音楽において最悪の時期」だったのではないだろうか。
痛い目を見た事もあり、「20万円以内の投資で、AW4416を凌ぐ程の処理キャパシティと安定性を得られるようになるまで、ソフトDAWは信用しない」という条件付けが私の中で出来上がり、そのまま時間は流れて行った。

◎この状況を打破したのは大きく3つ──AppleのEmagic買収、IntelのCoreアーキテクチャ、「Intel Mac」の登場──の変化だった。
EmagicがAppleに買収された事で、LogicはWindowsというプラットフォームを失いはしたが、OS Xとの親和性を高め、またEmagic単体では生み出されなかったであろう柔軟な概念(AppleLoops、GaragebandInstruments)を得る事になった。
Coreアーキテクチャは特にノートPCで問題となった「処理能力と消費電力と熱」の問題を一気に解決し、結果としてノートPCの「価格性能比」を一気に向上させた。
そしてIntel Macはwindows環境との親和性を高め、「Logicの為にプラットフォームを移動する」ことへの敷居を低くした。 (まぁ、私の場合結果的にWindows環境は構築しないまま、全面的に移行したが)

◎かくしてMacBook+OS X+Logicという環境が、私自身が「音楽制作環境に求めたもの」──環境や場所に左右されず、また保守を必要としないこと、それでいて必要充分なクオリティを確保出来て、かつ信頼に足る安定性を持つ事──を実現するに至った。
似た様なコンセプトはかつての「Studio Moderato」で試したが、あの時は時代が速過ぎた、ということだろう。
将来的な願望を書くと、MOTIF ES/XSに代表される「外部音源、コントローラ、オーディオI/F」の統合が出来れば,卓すら無くしてPCとシンセ1台、あとはモニターのみという環境にしたい。 いやむしろ「オーディオI/O統合型88鍵MIDIコントローラ」が出れば,音源すら必要ない。 何せ「絶対に無くせない」のはFS1RとM|One、モニタースピーカ、ぐらいなのだから。

【Sound Works】MOTIF XSに触ってみた

◎田舎の現実としてなかなかお目にかかる機会も無かったのだが、MOTIF XSに触れる事が出来たのでそのレポートを。
触れてきたのは61鍵モデル。 ヘッドフォンも借りられたので、思う存分弾き倒してみた。

◎まず見た目。 Webや写真で見るとそうも思わないが、実物を見ると「なんじゃこりゃ!」と思える色合い。 ウチの変態音源FS1Rをホーフツとさせる、ブラッシュドメタルな緑色。インパクトは抜群だ。…
大型化されたLCDは視認性抜群だが、出来る限りの情報量を詰め込もうとして文字がかなり小さくなってしまってるのが残念。

◎さて。
PCMシンセの出来不出来は「プリセット1番のピアノで決まる」と言われるピアノは…音色キャラクター自体は初代MOTIFとそれほど変わらないが、共鳴音や離鍵音といったリアリティは格段に向上し、「弾いていて楽しい」ピアノに仕上がっている。
他の音色の傾向も、MOTIFと傾向が似ていて、(あざといぐらいの)レンジの広さ、高域の元気さから来る「硬さ」を感じさせる、良くも悪くもやっぱりYAMAHAの音である。 逆に言えばMOTIFの音色を知っていると、インパクトとしての目新しさはそれほど無いかも。(これは最近のPCM音源全般に言える事だが)

◎そういう意味ではどの音色を聴いても「おお」と「ふーん」の中間ぐらいの評価になるのだが、一つだけあきらかに「うわっ!」と思ったのがハンドベルの音色。 YAMAHAは昔から妙にベルの音色にこだわりがあるが、あの「W5ハンドベル」を生楽器にしたような音色で、力強いアタックと透明感にあふれている。 またベロシティに応じてアタックの強さも連続的に変わってくる。 やべー、「W5ハンドベル」を超えるベルの音色についに出会ってしまったよ。

◎プレイアビリティの面では、ノブが8本に増設されて一度に扱えるパラメータが一気に増え、その分表現幅が広がっている。 また「アサナイナブルスイッチ」をキーボードメガボイスと組み合わせると、アコースティックギターのハーモニクス奏法などをスイッチ一つで切り替えられる。 そしてプリセットはこれらの操作子をどのように使って「演奏するか」をよ〜く作り込まれており、正直言ってここまでのプログラムをユーザーが作る事は不可能なんじゃないか?と思える程だ。(勿論,人が作ったものだから,不可能じゃないのだが)

◎全体に言えることとして、MOTIF XSの音は明らかに「楽器として」の完成度を意識しており、超膨大なプリセットも一つ一つを聴くとどういう状況を想定して作り込まれているのか,が良くわかる。 シンセサイズエンジンを生かした(ある種芸の細かい)音色変化や表現力は、「ただただ波形容量が馬鹿でかいだけで、何一つ作り込まれていない」ソフトサンプラーよりも遥かに有機的で、また楽器的だ。
…ただ、それは「最高級の質の高さ」と言うある種マニアックな部分でしかなくて、カジュアルに音楽作成を楽しむには作り込まれ過ぎているし、コストの問題がどうしてもつきまとう。 今ハード音源・シンセサイザーが突き当たっている最大の障壁はそこなのだろう。

◎そういった意味で「絶対にMOTIF XSが欲しいか」と言われるとそうでもなく、値段の事も考えるとちょっと二の足を踏んでしまう。
ただ、モノは間違いなく素晴らしいので、おそらく来年当たり出るであろうS90ESの後継に期待がかかる。
音楽制作ツールとしてでなく、鍵盤楽器として、家に電子ピアノを買うぐらいの感覚でSシリーズを入れる,と言うのも悪く無いと思う。
MOTIFで特に不満がないので、微妙な所ではあるけれど…

2007/06/04

【Sound Works】DAWに最適な卓の構成を考えてみる

◎mixiの某コミュニティの質問に答えるにあたってAW1600の構成を調べてみると、トラックキューはおろかソロ系統すら無い事を知った。 どうやらAW1600におけるソロモードは単に「選択したトラック以外を全てミュート」して、本線の音を聴く為のもののようだ。 ちなみにLogicのソロも同じ様なものである。
このソロ、ミックスダウンの時はそれでいいが、レコーディングの時は困る。 レコーダーに入っている音のモニターはどうすればいいんだろう。 レコーダーモニターチャンネルをミュートすれば聴けるが、それは同時にモニター返しの信号が無くなる事を意味するし…

◎で、これについてイロイロと考えていくうちに、「DAW環境で使うミキサーはどんな構成が理想か」という点が気になった。
構成的にはセパレート型レコーディングミキサーが理想的だが、DAW環境特有の事情として「ミキサー側でのミックスダウンはあまり必要ない」と言う事…つまりいわゆる「本線」の意味合いが薄いということだ。 なぜなら本線はトータルバウンスも含めてDAW側でやってしまったほうが利便性が高いからだ。 ではDAW環境でどういう風に卓を使い、どういう機能が必要なのだろうか。 DAW側がライブインプットに対応していると仮定して考えてみよう。

◎まず録音ソースの立ち上げ。インプットチャンネルがこれを担う事になるが、録音前段階での増幅や補正がh値鵜用なためプリアンプ(トリム)やアッテネータ、コンプ、EQは必要だ。 場合に依っちゃレコーディング時点でのエフェクト処理用にAUXも要るだろう。しかしこの後段階のファンクションは極論ソロバスへの送りと、「ダイレクトアウトを持っていない場合に」グループバスへの送りがあればいい。 どうせパンボットはレコーダに送るバスの切り替えで使うので、本線の信号をモニターすることが無いからだ。

◎そしてDAWからの戻りだが、まずDAWからの本線戻りには一切のチャンネルファンクションは必要なく、モニモニ(エンジニアのモニター)として本線に信号が行けば良い。 いわゆる2tr Inで事足りる。
一方でDAWからのパラアウトを受ける系統は、外部エフェクトに送るにしろ演奏者用モニターを作るにしろ、プリフェーダのAUXと「本線経由での演奏者ミックスを作る為の」フェーダがあれば良く、EQやコンプはあまり必要ない。(そういう処理はDAW側でやる)そしてこっちの系統には、ソロすら必要ない。(ミックスダウン段階のソロはDAW側でやったほうが良い)

◎一方でAUXやバス関係、マトリックス関係はできるだけ充実していた方が良い。 エフェクトも演奏者モニターもAUXやバスを経由することになるので、この部分でのパッチング自由度が高ければいい。 一方で本線はDAWの本線がモニターできれば良い…って、こりゃ殆ど(というか完全に)モニ卓の構成じゃないか。 これは私も驚いた。 要求される機能がモニ卓だったとは…
そしてこれがデジタル処理で、フィジカルコントローラ機能を持ってれば完璧だ。

◎先日紹介したYAMAHA n12/n8はわりとコレに近いが、セパレートでなくインライン構成であることと、バス/AUXの本数がやや少ない事、フィジカルンコントロール機能を持たないことが気になる。 素性は悪くないのだから、01X並みに機能強化してくれないmのだろうか。 01V96が理想だけど,いくらなんでも高すぎるし…
インプット16+モニター8、8Bus、8AUX構成のデジタルミキサーを安価で作ってくれないかな,YAMAHAさん。

2007/06/03

【Logic】パラアウトの使い方

◎ウチのオーディオI/F、emi2|6。 通称emiちゃん26歳。EmagicのサポートはAppleへの買収に伴ってとっくの昔に打ち切られているが、元気に動いている。(ドライバはUniversalbinary化されてないので、Rosetta上で動いてる)
プリアンプ非搭載でラインレベル信号しか扱えないが、6系統のパラアウトを持ち、デジタルコアキシャルアウトも持つニクイ奴。これまでAWとの信号やり取り(2ch)にのみ使っていたのだが、先日の機材整理でAWの入力が4本空いたので、長い間放置状態だったパラアウトの使い道を考えてみる事に。

◎さて6系統のうち、どーやったって本線の出力で2本を食うので、あとの4本を何に使うか、である。
外部エフェクトへの送りに使うとか、特定のパートをパラッて外部ミキサーでミキシングするとか方法はあるのだが、最大のネックは「Expressはライブインプットに対応していない」と言う点だろう。 こないだのn12/n8でも触れたが、DAWにおけるパラアウトは、少なくともミキシングの段階では「ライブインプットに対応していないDAWでは」あまり意味が無いのだ。 だいたい、パートをパラ出しするったって、たかだか4系統ごときで何をしろと? という感じだ。

◎では外部エフェクトへの送りに使うとして、幸いウチの環境は外部ミキサーもHDRである。 Logic内部でのバウンスに拘らなければ、パラアウトを外部エフェクターへのAUX出しに使い、AW4416側へ戻してミックスダウン、と言う流れが可能である。

◎Logicのオーディオバスオブジェクトの出力先をパラアウトに指定し、パラアウトを受けるミキサーチャンネルのAUXをプリフェーダにしてノミナルまで上げ、フェーダを絞る。(ドライ信号が本線に入らないように)
こうすると、ミキサーにセンドリターン接続された外部エフェクターが使える。 ウチで言えば、AWの内蔵エフェクト(SPX系)とM|Oneだ。
実使用に当たってはセンド量をLogicのバス送り量、リターンはAWのリターンチャンエルフェーダで行う事になる。

◎この方法の難点は最終的なミックスダウンをAW側で行うことにあるが、他の環境はいざ知らず、ウチの場合AWのEQ・コンプがLogic Expressのそれより高精度にマスターを作れるので、別に良いのではないかと。(LogicのリミッターよりAWのコンパンダーのほうが使い易い…)
それにPlatinumverbは便利だが、クオリティの面でM|One、パラメータ自由度の面でAW内蔵(SPX)の代替になるとは言えない(ハイレシオの指定や、ER成分をEQできないのは正直痛い…)
Proならこんな七面倒臭い方法は不要で、外部エフェクターの戻りをそのままExtarnal I/Oプラグインでオーディオトラックに落とせば良い。
やっぱProにしときゃよかったかな。 次のバージョンアップの時に考えるか。

2007/06/01

【Logic】Tips:AW4416でコントロール!(Express版)

※今回は大作な上長いです。 Logicに興味の無い人は読み飛ばしてもらって…

◎AW4416には「MIDI Remote」と言う機能がある。 これはAW4416のフェーダおよびOnボタンにMIDIメッセージを割り当てて送信する事で、外部機器やシーケンサをコントロールするというものだ。 これを使えばLogicに限らず様々なシーケンスソフトでフィジカルコントロールができそうだし、実際ここには各種シーケンスソフトをコントロールする為のテンプレートもある。(何故か日本のサイトには、AW2416用しかない)
ところが、LogicにおいてはこれはPlatinum(当時)のみの対応で,キーコマンド設定に制限のあるGold/Audio,今で言えばExpressには対応していない。
それじゃぁ自分で作ってやろうじゃないか!と言うのが今回の挑戦である。

◎AWのMIDI RemoteはAとBの2レイヤーでOnキーとフェーダが各16個、計64通りのMIDIメッセージを送れる。 これらを使ってフィジカルコントロールをするので、とりあえず
・OnキーでソロモードのOn/Offを切り替え、フェーダで音量を調整する
・Aレイヤーの16本をオーディオトラックの1〜16、
Bレイヤーをオーディオインストゥルメントトラックの1〜16に対応
というコントロールを作る事にする。

◎Logicにおけるオーディオオブジェクトの外部操作は、CC#7がボリューム、CC#3がソロモード切り替えに対応している。 このためAW側のフェーダに「Bx 07 FED END」(xはMIDIチャンネル 1〜F)、ボタンに「Bx 03 BTN END」を割り当てれば一応動作はする。
ところがこのときの動作は、AW側のMIDI Ch設定をいくらにしても、オーディオオブジェクトの1番しか動いてくれないのだ。
これはLogicのMIDI In信号の取り扱い方によるもので、 LogicはMIDI Inポートの指定が無い代わりに、どのポート/どのチャンネルの信号であろうと、全てそれをマージしてCh1の信号としてシーケンスエンジンに流し込もうとする。(そしてそれは選択されているオブジェクトに接続される)。 このため、
・何らかの形でMIDI Chを分割しないと、AW側のチャンネルに応じたトラックを動作させられない
・何らかの形でCCを変換しないと、マスターキーボードの信号と分離できない
という点を考慮しなければならない。

◎では、上記の2点を実現しつつコントロールする方法を考えてみよう。 ExpressのEnvironmentは使用出来るオブジェクトに限りはあるものの、1点目はチャンネルスプリッター、2点目はフェーダオブジェクトを使えば実現出来る。
まずチャンネルスプリッター1個とフェーダオブジェクトを16個作り、フェーダオブジェクトのMIDI Chを1〜16に設定した上でチャンネルスプリッターの各chの出力をフェーダにつなぐ。 こうすることで各フェーダにはチャンネルスプリッターで分けられたMIDI信号のみが通るようになる。

◎次に各フェーダオブジェクトのパラメータボックスの「Input」「Output」を双方とも「Control」にした上で,Input側の「-1-」を適当な値(ここでは102)、Output側を「7」にする。これは「Input」がそのフェーダを動かす為のCC、「Output」がそのフェーダが動いた時に出力されるCCを指定しているので、フェーダオブジェクトを通す事でCC番号の変換が実現する。
動作としては、AW側のフェーダでCC#102を送り込み、このフェーダオブジェクトでそれをCC#7に変換して出力する。 フェーダオブジェクトの出力を適当なオーディオオブジェクトに繋げば、フェーダオブジェクトの動作に依ってオーディオオブジェクトが動作することが確認出来る。

◎ここまでくればあとは速く、ここまで作ったオブジェクトをそのままコピーして、InputのCCを換えて(Remote Aとは異なる値にする)、接続先をオーディオインストゥルメントオブジェクトにしてやれば、Remote Bレイヤーでオーディオインストゥルメントオブジェクトもコントロールできるようになる。
さらにフェーダオブジェクトのOutputを「3」に設定すればソロモードOn/Offの切り替えが出来るので、ここまで作ったオブジェクトを全部コピーした上でフェーダオブジェクトのタイプをボタンタイプにして、入力CCを換えればソロボタンの出来上がりだ。

◎あとは「Click & Port」レイヤーにあるモニターオブジェクトの出力を各チャンネルスプリッターにつなぎ、各フェーダの出力を対応させたいオーディオオブジェクト/オーディオインストゥルメントオブジェクトにつなげばLogic側の作業は終了。 あとは地道にAWのMIDI Remote定義を作り込んで行く。
一通り設定出来たところでAWのフェーダを触ってみると…おお、ちゃんと動く。 図ではボタンフェーダも動作しているのが判ると思う。

◎本当ならこの後オーディオオブジェクトのフェーダ値をAWにフィードバックする系統を作りたかったのだが、AWのMIDI Remoteは外部からのフェーダ動作に対応していないので、そういった意味では「完全なフィジカルコントローラ」の作成は無理だった。(Logicが上位版でも同じ事で、AW側の問題) しかしそれでも、とりあえずフィジカルコントロール環境はこれで作れた訳だ。
ちなみにこの方法を応用すれば、AW以外の汎用MIDIコントローラでもLogicのミキサーセクションをコントロールできるので、操作子の多いシンセサイザー等を持っているなら、チャレンジしてみる価値はあるだろう。